今回は、多くの人が一度は疑問に思うであろう『長期投資っていつまで続けるの?』について考えていきます。
長期投資に終わりはなく『永遠に資産運用を続ける』
たとえば65歳のときに莫大な資産があれば、その後の資産運用は必要ないかもしれません。しかしそういう人はほんの一握りだと思います。普通の人がおカネに困らずに、この人生100年時代を謳歌するためには、つくりあげた虎の子の資産をうまく運用して、人生最後のときまで資産枯渇を防ぐ必要があると思います。
この記事の目次
長期投資には基準がない
短期的な投資では、デイトレードだと1日、スイングトレードだと数日から数週間という目安があります。しかし長期投資となると、この手の『このくらいの期間』というような明確な基準がありません。それぞれでさまざまな解釈がなされているのが現状だと思います。たとえば債券では、償還までの期間が1年以内なら『短期』、10年以上なら『長期』というように。
永久債という考え方
イギリスやノルウェーなどには償還のない永久債というものが存在します。
債券は、償還されるまで毎年1,2回のクーポンと呼ばれる利息が受け取れますが、たとえば財団などでは、償還期限がない、つまり元本が償還されないこの永久債を購入して『利息を永久に受け取る』という資産運用もなされています。おそらくこの財団にとって最も重要なことは、元本が返ってくるか否かではなく永久に続く毎年の利息なんだと思います。そうなるとむしろ永久に元本は返ってこないでほしいと思うことでしょう。
また永久債は、大きな資産を持つ個人の財産相続としても使われます。まとまったおカネを相続すると一気に使ってしまう恐れもあるので、永久に続く利息での相続を考えるようです。
この永久債での考え方は、自分の代だけではなく代々と未来永劫、資産運用が続くことを意味ます。
ゴールは定年?定年はゴール?
人は定年を迎えると、なんとなくすべてのことが『ゴール』だと考えてしまうような気がします。もしかすると僕もその年齢に達すると、そのような考えになってしまうのかもしれません。でも実はそうではないんですよね。とくに100年時代といわれている昨今、定年したからといって人生が終わるわけではないですよね。
また往々にして、定年を『資産形成』や『運用』のゴールと定めて、それまでに2000万円あるいは4000万円をつくらないと…、そして定年後はその資産を取り崩して生活していく…と考えている人も多いように感じます。
定年は人生のゴールではないし、資産形成のゴールでもないと思います。
自分がいつまで生きられるのかはわかりませんが、仮に65歳で定年を迎えて95歳まで生きるなら、まだ30年の人生が残されています。健康寿命もありますが、一旦これは置いておき、30年あったらいろいろなことができるし、おカネも必要になります。
もし65歳時点で5000万円の資産をつくれた場合、これを年3%で運用し毎月15万円ずつ取り崩しても、このおカネは59年10か月持ちます。つまり124歳まで持つことになります。公的年金が毎月20万円とすると合わせて月35万円になり、普通の人ならおそらく人生は安泰です。
仮に100歳まで生きることを前提にした場合、65歳から毎月10万円ずつ取り崩し、100歳の時点で残高がほぼゼロ円になる原資の額は以下になります。
- 運用なし :4200万円
- 年3%運用 :2605万円
この差は大きいです。
やはり資産形成のゴールは定年の65歳に設定するのではなく、まさに自分がこの世から去るとき、たとえば100歳をゴールに設定するべきだと思います。これにより65歳時点で用意しておく原資は4200万円ではなく2600万円で済むことになりますので。
まとめ
もし功を奏して資産運用がうまくいき、大きな資産がつくれたあとに…
不幸にも資産を全部使い切らずに死んでしまったとしても、僕は構わないと考えています。上で書いた永久債のように、その資産は子どもに引き継がれ、さらには孫にも引き継がれるかもしれません。
そして子や孫、未来の世代でも資産運用を継続していくことによって、何代かあとには世界有数の資産家になっているかもしれません。まぁこれは夢物語ですが。でも実際、生きている間に生活に困らなければ、自分が全部使い切らなくても全然いいんです。
もし引き継ぐ家族がいない場合、寄付をするのもいいですね。学校や先生、教科書を必要としている国、日々の食料も満足に手に入らない国などもあると思います。自分がこの世を去るとき、もし使い切れないおカネがあるなら、世の中に還元するのもよいかと思います。
つまり僕は、長期投資に終わりはなく『永遠に資産運用を続ける』と考えています。