これまでの記事では、上級会員になるための理論的な内容について説明をしてきました。この記事では、具体的な事例をもとに忙しいひとや休みがなかなか取れない人でも可能な効率的な修行プランを説明していきます。
これを読めば、あまり時間が取れないひとでも、ステータス獲得に向けて希望が持てると思います。
この記事の目次
忙しい人でもJAL上級会員になれる!!実践編
それでは実際のプランを見ていきましょう。
これは2019年の9月10月におけるプレミアムエコノミーでの事例です。
このプランは、ぷてらのが実際に乗ったプランですが、ぷてらのが乗ったクラスはすべてビジネスで、ゆる~い修行、かつ、JGCダイヤモンド獲得の仕上げフライトとして乗りました。つまり、ぷてらのはこれ以前のフライトですでにJGCサファイアを達成しています。
しかしこのプランは、修行コスパのよいプレエコでちょうど50,000FOPを超えるため、JMBサファイア獲得のよい事例として、金額やFOPなどをプレエコに直したうえで紹介しています。
JMBサファイアは4つの予約で獲得できる
上の表は、4つの予約で構成されています。
- 国内発券による成田-クアラルンプールの往復 (黄)
- 海外発券によるクアラルンプール-那覇の往復 (緑)
- 国内発券による成田-クアラルンプールの往復 (橙)
- 海外発券によるクアラルンプール-成田の往復 (青)
①②(9月)と③④(10月)の2セットの修行と考えることもできます。
1セット目(①②:9月)
いわゆる通常の国内発券である①成田-クアラルンプールの往復のなかに、海外発券した②クアラルンプール-那覇(成田/羽田経由)の往復を挟んだフライトです。
修行の世界ではよく目にするOKA-KULタッチの反対だと考えればわかりやすいかと思います。もしいま、海外発券とかOKA-KULタッチがわからなくても、あとで説明しますので大丈夫です。
2セット目(③④:10月)
これも①と同じ国内発券の③成田-クアラルンプールの往復のなかに、海外発券した④クアラルンプール-成田の往復を挟んだフライトです。
2セット目は一気に終えるのではなく、後半をあえて2週間後に設定しました。
これは、マレーシアのひとが10/5に日本に旅行に来て、2週間後の10/19にマレーシアに帰るプランと同じです。が、僕たちは日本在住なので、旅行ではなく日常生活を日本で2週間して一度マレーシアに戻り、③の復路でまたすぐに日本に帰る、というものになります。これであれば仕事を休まなくても大丈夫です。
こんなふうに間をあけられるのも海外発券の良いところです。
日にちを凝縮して10/5(土)成田昼発 – 10/7(月)成田朝着で③④を完了させることもできます。これなら月曜の朝7時に成田着ですので、ツライですが仕事にも行けます。ただしこの場合の注意点として、予約したクラスによっては最小旅行日数(2日以上)に引っかかる可能性があります。これもあとで説明します。
JALカード保有者は5,000FOPもらえる
JALカード保有者は、その年(暦年)のファーストフライトで5,000FOPがボーナスとしてもらえます。つまりJMBサファイアを45,000FOPの修行で獲得できることになります。
ステータス獲得を考えているひとは、修行に備えてJALカードを発行していると思います。JGC獲得のためにはClub-A以上のJALカードが必要ですので。もしまだ発行していないひとは、すぐに発行することをオススメします。
JALカード保有者は、ファーストフライトで5,000FOPがもらえる
プレエコはステータス獲得のコスパがいい
搭乗クラスをプレミアムエコノミーにしているのにも意味があります。プレエコは運賃1(100%)のため、FOP算出のベースになる『フライトマイル』が100%になります。つまりFOPがたくさんもらえます。
価格的にお得なエコノミーだと運賃4(50%)とか運賃5(30%)になることが多く、これだとFOPはあまりもらえず、その分たくさん搭乗する必要があります。
もし、エコノミーとプレエコのFOP単価が同じだった場合、時間的なことを考えると1回のフライトでたくさんのFOPがもらえるプレエコのほうが当然ながら効率がよく、少ないフライトでJMBサファイアが獲得できます。
ちなみにビジネスクラスは、運賃1(125%)ならFOPもさらに多くもらえますが、価格がプレエコの2倍くらい高いですので、FOP単価でみるとコスパは下がります。フライトはかなり快適でしたが…
プレエコには運賃2(70%)もあるので注意が必要
プレエコの運賃1(100%)はステータス獲得のコスパがいい
どうでしょうか?
2セットの修行、4つの予約でのフライトで、あっという間にJMBサファイアを獲得できます。もし1週間の休暇を取得できるひとなら、このプランをその1週間に凝縮することも可能です。プレエコでFOP単価8.2円ですので、価格面でも許容範囲だと思います。
路線は、クアラルンプールに限らずシンガポールでもタッチができるので、SINタッチでも同様に効率の良いステータス獲得が狙えます。
ぷてらのは、だいたいいつも、SINタッチとKULタッチのゆるBiz修行でJGCダイヤモンドを獲得しています。
海外発券ができると修行がラクになる
海外発券をすることで、上記のような効率のよい修行が行えるようになります。ここからは、海外発券を行う理由(メリット)や方法について説明しています。
海外発券とは?
日本以外の海外の空港を出発地とする航空券を購入することです。
例えば、出発地:クアラルンプール ⇒ 目的地:成田
(目的地は国内でなくてもよい)
これはマレーシア在住のひとが日本へ来るためのチケットと考えればわかりやすいですよね。それを、日本在住の僕らも利用するってことですね。往復でも片道でも購入できます。
海外発券を行う理由(メリット)
細かいメリットはいくつかあると思いますが、大きくは以下の2つです。
- 価格が安い
- 最小旅行日数の縛りを解消できる
なんといっても時間があまり取れない修行僧には、『②最小旅行日数の縛りを解消できる』のメリットは絶大だと思いますので、この点について説明していきたいと思います。
最小旅行期間とは…
通常の海外旅行であればそれほど気にしないことですが、ちなみに、航空券を購入する際に『有効期間:2日以上12ヵ月以内』などの条件を見たことはあるでしょうか?
この『2日以上』が最小旅行日数にあたります。
エコノミー、プレエコ、ビジネスなど、だいたいどのクラスでもお得なチケットでは有効期間(2日以上)の縛りがあります。このため、成田(NRT)-クアラルンプール(KUL)の往復を行う場合、往路便でクアラルンプールに到着した日に、またすぐ復路便に乗って成田に戻る…ということはできません。
この『2日以上』の考え方は、『現地で2日以上滞在する』というもので、到着日を0日目として、現地0時を超えると1日目になって、さらに翌日0時を超えると2日目になります。
この『2日以上』の縛りが、修行を短期間で効率よく行いたい修行僧にとっては非常にネックになるのです。
10/1 17:45 現地着
10/2 00:00 を超えると1日目
10/3 00:00 を超えると2日目
たとえば、10/3 00:10 現地発というフライトがあれば、2日目になってすぐに戻りフライトに搭乗できることになります。しかしそれでも、時間的効率を重視したい修行僧にとっては、10/1の夜間、10/2の丸一日がロスになってしまいます。
もし到着日と同じ10/1に復路便で戻りたい場合、プレエコであれば最小旅行日数のない『Premium Economy Flex』という価格が非常に高いチケットを購入する必要があります。しかしこれでは時間的効率はよいですが、FOP単価が格段に上がってしまいます。
価格 | FOP | FOP単価 | |
Premium Economy Special Save | 62,000円 | 5,407 | 11.4円 |
Premium Economy Flex | 216,500円 | 5,407 | 40.0円 |
このため海外発券によって、最小旅行日数『2日以上』の縛りを解消することになります。具体的には、最初の表の③④がわかりやすいと思います。下に再掲します。
国内発券③は、10/5成田発-10/20成田着ですので、現地に2日以上滞在するチケットです。しかし、体は現地にいるわけではありません。実際には③往路便で10/5クアラルンプール到着の同じ日の22:50に、海外発券④の往路便で成田へ向けて出発しています。そして10/6に成田到着後は10/19まで日本で日常生活を送っています。そして10/19に海外発券④の復路便に搭乗することで④チケットが完結します。そして最後に、国内発券③の復路便に搭乗すると③チケットも完結します。
このように海外発券チケットを利用することで、現地に2日も足止めされることなく、効率的に修行が行えます。
海外発券のデメリット
細かいことはいくつかありますが、主なデメリットとしては『出発後はキャンセルができない』が挙げられると思います。
③④のように、④往路便で成田に戻りますが、これは④チケットの出発にあたります。2週間後、④復路便の都合が悪くなっても、出発後ですのでキャンセル、払い戻しはできません。もちろん、④復路便に搭乗できなければ、③復路便にも搭乗することはできません。
これを一般的に考えると…
マレーシア在住のひとが日本に2週間の旅行にきた。しかし都合が悪くなったので、マレーシア帰国の復路便に乗らず、日本にいる状態…ってことで、ちょっとおかしいですよね。逆もまた然りで、国内発券③のチケット上では、僕たちはマレーシアに2週間滞在していることになっている…はずで。
万が一、都合が悪くなった場合は、日程変更の可否を含めJALの予約センターにすぐに相談しましょう。
海外発券を行う方法
海外発券する方法は非常に簡単です。
JALホームページの右上『Japan – 日本語』をクリックします。
発券したい空港と言語を選びます。ここではクアラルンプール。
クアラルンプール(マレーシア)のページになりました。
あとは国内発券同様に、日程などを入力して進めていきいます。
海外発券によるKUL-OKAタッチ
『KUL-OKAタッチ』の前に、まずは『OKA-KULタッチ』について説明します。
OKA-KULタッチとは…
那覇(OKA)から羽田/成田経由でクアラルンプール(KUL)へ飛び、クアラルンプールで空港の外には出ずに(入国せずに)、帰りの飛行機に乗って成田/羽田経由で那覇に戻るというフライトです。長期休暇が取れないのでホテルなどに宿泊する時間がない、時間はあっても宿泊費などの滞在費を節約したいなど、いわゆる修行僧が空港ラウンジで数時間過ごし(満喫し?)、トンボがえりをする荒修行?です。
つまり、クアラルンプール空港にタッチして帰ってくるイメージですね。
那覇空港(OKA)を利用する意味は、国内での距離をより稼ぐことができるのは当然ですが、なんといっても、国際線に含まれる国内フライトという位置づけのため、国内片道が約5千円程度で搭乗できること、かつ、運賃1(100%)でFOPが積算されることにあります。
那覇-羽田のFOP単価 5000円 ÷ 2368FOP = 2.1円
全体のFOP単価引き下げに貢献!!
このため最初の表の海外発券②のFOP単価が6.0円と優れた結果になっています。
また、シンガポールのチャンギ空港にタッチするOKA-SINタッチなるフライトもあります。シンガポール便は羽田発着がありますので、国内での移動を考えると、こちらのOKA-SINタッチのほうがよいかもしれません。クアラルンプール便は成田発着なので、OKA-KULタッチでの国内移動の那覇便に乗るためには成田-羽田の空港移動があります。
ぷてらのもやってみましたが、成田-羽田間はかなり距離がありますので、はやり移動は面倒でした。同じ空港なら余計な労力を使わずに、ラウンジでまったりすることもできますので。
沖縄在住じゃないひとは那覇往復が必要
OKA-KULタッチでもOKA-SINタッチでも、沖縄在住じゃないひとは、当然ながら、最寄空港-那覇空港の往復が必要になります。ぷてらのは東京23区在住なので、OKA-KULタッチの前後に、羽田-那覇の往復チケットを用意する必要があります。じゃないと、那覇発着のOKA-KULにそもそも乗れないですから。
この羽田-那覇の往復も修行の一環になりますが、那覇便は結構混んでて、そのあとの国際線との日程調整も難しく、安いチケットも入手しづらい感じがしました。こういう事情から、ぷてらのは、OKA-KULタッチの反対、KUL-OKAタッチを行いました。それが最初の表の①②になります。
この方法は、沖縄で前泊せずに済むので、都内や近郊に住んでいるひとにはオススメです。さらに②9/15 OKA-HNDのあとは羽田⇒自宅で一晩休んで、翌日9/16に自宅⇒成田 ができるのもよいポイントです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、忙しい人でもJAL上級会員になれる修行プラン、海外発券のメリットや方法、海外発券によるKUL-OKAタッチについてお話しました。
このプランを振り返ってみると費用面での反省もあります。
それは下のように、国内発券①で全体を挟んで、中の②③④はすべて海外発券にすべきだったということです。これは元の国内発券③を海外発券にするだけでプランを作りかえられます。そしてこれにより、FOP単価は7.4円まで下げることができます。
もちろん、オセアニア線での海外発券やJAL以外のワンワールド便を駆使することで、もっと効率の良い方法も見つかると思います。
ぜひ自分に合う方法を見つけてステータスをゲットしてください。
ではまた~