航空会社では顧客囲い込みのために、よく利用する人に上級会員というステータスを与えて、顧客にとってメリットのあるさまざまなサービスを提供しています。
今回は、JALステータスの種類やサービス、上級会員になる方法、そして、その上級会員を続けていく神ワザについても解説していきます。
この記事の目次
JALステータスの種類
JALステータスである『サービスステイタス』は、少し複雑で、JMB会員とJGC会員の2つがあり、ステータスの種類も少し違います。
それぞれ見ていきましょう。
JMB会員
この3種類(JMBダイヤモンド,JMBサファイア,JMBクリスタル)がJALステータスの基本になります。そして、JMBダイヤモンドとJMBサファイアが上級会員になります。
JALマイレージバンクのことで、JAL Mileage Bankを略した呼び方です。JMB会員になると、JALグループでの搭乗に加え、JALが属するアライアンスであるワンワールド加盟航空会社での搭乗のほか、宿泊やショッピングなどでためたマイルを特典航空券や電子マネーなどと交換できます。
まずはこのJMB会員になって、JALグループやワンワールド加盟航空会社の飛行機に乗ることで、FLY ON ポイント(FOP)もたまり、JALステータスの道が始まります。
JGC会員
JALグローバルクラブのことで、JAL Global Clubを略した呼び方です。JALグローバルクラブでは、JALグループ便をいつも利用している人により上質なサービスを提供しています。JALグローバルクラブへの入会は、JMBダイヤモンドもしくはJMBサファイアのステータス有効期間中にのみ申込みができます。
つまり、JMBダイヤモンドやJMBサファイアを獲得したJAL上級会員が入会できる会員組織で、さらに上質なサービスが受けられるってことですね。
これがJGCでのステータスになります。カードをよく見るとわかりますが、真ん中に『JAL Global Club』のロゴが入っています。そして、JGCは上級会員が入会できる組織ですので、このステータスすべてが上級会員になります。
ワンワールドステータスとの関係
JALのステータスを獲得すると、JALが加盟するワンワールドのステータスも同時に獲得できます。
ワンワールド エメラルド ⇒ ファーストクラス と同等
ワンワールド サファイア ⇒ ビジネスクラス と同等
このように、海外の空港などでも上級会員として扱われ、もちろんワンワールド加盟の航空会社でラウンジも利用できますので、フライト時間まで快適に過ごせます。
まずはここまで、JALステータスの種類について説明しました。
続いて、JALステータスで受けられるサービスについて説明していきます。
JALステータスのサービス
サービス内容 | ダイヤモンド | JGCプレミア | サファイア | クリスタル | JGC |
専用予約デスク | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
予約時の優先キャンセル待ち | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
座席指定の優先 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
国内線先行予約 | 〇 | 〇 | ✖ | ✖ | ✖ |
専用チェックインカウンター | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
手荷物許容量の優待 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
専用保安検査の利用 | 〇 | 〇 | 国際線のみ | ✖ | 国際線のみ |
ラウンジの利用 | 〇 | 〇 | 〇 | ✖ | 〇 |
優先搭乗 | 〇 | 〇 | 〇 | 国際線のみ | 〇 |
手荷物受け取りの優先 | 〇 | 〇 | 〇 | ✖ | 〇 |
マイル有効期限の廃止 | 〇 | 〇 | ✖ | ✖ | ✖ |
ボーナスマイル | 130% | 105% | 105% | 55% | 35% |
感動のサービスが待っている
非常にメリットを感じるよいサービスがたくさんありますが、いくつかピックアップして、ぷてらのの感想も交えながら紹介していきます。
専用予約デスク
ぷてらのがまだステータスの存在を知らなかっただいぶ過去の話ですが、航空会社に電話する際、通話料がかかる有料番号にかけていました。そうです、ホームページなどを見ても、0120フリーダイヤルの無料通話の番号が見当たらなかったのです。
当時は年に1回程度でしたが、それでも、なかなか繋がらずに20分30分もの長い時間待たされて、かつ、通話料もかかるなど非常に不便な思いをしていました。
しかしステータス会員には、一般の人とは別の専用番号が割り当てられているのです。それも、ダイヤモンド、サファイア、クリスタルとステータスごとに予約専用デスクの番号が違うので、会員数が少ない上位ステータスほど、よりスムーズな対応が受けられます。
ネット予約が主流になっている現在でも、複雑な内容のときはもちろん、ちょっとした確認などでもすぐにつながるので非常に便利です。
とくに、悪天候による欠航などのトラブル時には、この専用予約デスクのありがたみを痛感します。
座席指定の優先
ビジネスクラスでのフライトでは、このサービスは必要ないかもしれませんが、エコノミーでのフライトでは、足元の広いバルクヘッドや非常口席を指定できるサービスはありがたいです。長時間のフライトならなおさらで、疲れを軽減できます。
専用チェックインカウンター
これも、いまではWebチェックインが主流になっていますが、帰省ラッシュや連休などの繁忙期では、やはり荷物を預けるまでにかなりの時間がかかります。ステータス会員には、一般の人とは別の専用カウンターが用意されているので、ほとんど並ぶことなく、スムーズなチェックインや荷物預けができます。
専用保安検査場の利用
繁忙期には検査を終えるまでに30分を超えることもありますが、ステータス会員は、一般の人とは別に専用レーンが用意されているので、ほとんど並ぶことはありません。
JGC会員もしくはサファイア以上の上級会員なら、国際線の専用保安検査場でスムーズな検査が受けられます。ダイヤモンドおよびJGCプレミアは、この国際線に加え、国内線でのラウンジ直結の専用保安検査場も利用できます。
ある台風明けの日、非常に混乱、混雑しているチェックインカウンターに、ものすごい長蛇の列ができていました。JGCダイヤモンドのぷてらのは、誰も並んでいない個室のファーストクラス・チェックインカウンターであっという間にチェックインと荷物預けができました。そして、このファーストクラス・チェックインカウンターのすぐ隣にあるラウンジ直結のダイヤモンド・JGCプレミア専用保安検査場で、これまた待つことなく、あっという間に手荷物検査が終わり、ものの数分でラウンジに行けました。
専用チェックインカウンターも専用保安検査場も大切な時間を節約できる、非常にありがたいサービスです。
ラウンジの利用
JGC会員もしくはサファイア以上の上級会員は、搭乗までの待ち時間を快適に過ごせるラウンジが利用できます。ラウンジには、ドリンクや食事、ソファーやシャワーなども用意されており、すべて無料で利用できます。とくに国際線では、より豪華なサービスが用意されています。このようなラウンジにあこがれて、ステータス獲得を目指す人もいるのではないでしょうか。
JALのサクララウンジは有名ですが、ダイヤモンドもしくはJGCプレミアになると、さらに豪華なファーストクラスラウンジが利用可能です。
ぷてらのは、普段はビール派なのですが、このファーストクラスラウンジを利用するときは、ビールは一切飲まず、普段飲まないワインやシャンパン、日本酒、ウイスキーなど、それぞれ数種類ずつを飲み比べして、フライト前に酔ってしまうという、なんとも贅沢で危険なサービスです。
優先搭乗
予約した座席のクラスに関わらず、ステータスのランクに応じた優先順位で飛行機に搭乗できます。
搭乗直後は、手荷物をしまったり出発の準備などで、機内はワサワサしています。早めに搭乗できると、頭上の棚をゲットできるのはもちろん、周りの人が搭乗してきたときには、すでに自分は準備万端でゆっくりできるメリットがあります。
手荷物受け取りの優先
長時間のフライトのあと、いつ出てくるかわからない荷物を探しながら待ち続けるのも大変です。何より時間がもったいないです。上級会員の荷物には、優先タグをつけてくれて、荷物が優先的に出てきます。これも時間節約のありがたいサービスです。
マイル有効期限の廃止
デルタをはじめとするアメリカ系航空会社では、マイルの有効期限を設定していない会社が多いのですが、JALでは36か月後の月末までと有効期限が設定されています。
ぷてらのは、ステータスの存在を知るまで、このマイル期限がないデルタを利用していました。しかし、JALのダイヤモンドもしくはJGCプレミアになることで、マイルの有効期限がなくなるというサービスを知りました。このため、長らくデルタ派だったのですが、JALでのステータスをゲットし、JAL派になりました。
ボーナスマイル
通常のフライトで得られるマイルに加え、ステータス会員は、追加のボーナスマイルが加算されます。なんとダイヤモンドでは130%の追加ですので、1フライトで通常の2.3倍と、どんどんマイルがたまります。
ステータス達成後、すぐに使えるサービスもある
ステータスは、達成した年の翌年4月(翌年度)からのスタートになりますが、この翌年4月を待たずして、ステータス達成後に、すぐに受けられるサービスがあります。
【1S】ファーストサービス ⇒ ステータス達成の約1週間後
【2S】セカンドサービス ⇒ ステータスカード到着後
【3S】サードサービス ⇒ ステータス開始後(翌年4月)
ほかにも良いサービスがあるので、JAL公式サイトもぜひチェックしてみてください。サービス内容や利用期間の詳細はコチラ
このように感動のサービスが待っているステータスですが、どうすれば獲得できるのか、いよいよ核心に迫っていきます。
JALステータスを獲得するには…
ステータスの獲得方法は2つ
JALのステータスを獲得するためには、2つの方法があります。
① FLY ON ポイントをためる (FOP)
② 何回も飛行機に乗る (搭乗回数)
JALではどちらの方法でも、1月~12月(暦年)の1年間における実績に応じて、翌年4月~3月(翌年度)のステータスが決まります。
① FLY ON ポイントをためる (FOP)
FLY ON ポイント(FOP)とは、JALグループやワンワールド加盟航空会社の飛行機に、お金を払って乗ることでマイルとは別にたまるポイントです。ステータス獲得には、このFOPを1月~12月の1年間でたくさんためることが重要になります。FOPの獲得数は、搭乗クラスや国内線・国際線、飛距離などの条件で決まります。
マイルを使用した特典航空券での搭乗では、FOPはたまりません。
FOPの獲得数は、JAL公式サイトで計算できます。FOPの計算はコチラ
② 何回も飛行機に乗る (搭乗回数)
この方法は、規定の搭乗回数(と規定のFOP)を達成すると、ステータスが獲得できます。とにかく何回も飛行機に乗ることでステータスを獲得できるのですが注意点もあります。
奄美群島や沖縄の島々など、距離が短い区間でアイランドホッピングといわれる飛び方をする場合、獲得できるFOPが少なくなり、規定のFOPに到達しない可能性があります。
ステータスの獲得条件
ステータスの獲得条件を以下にまとめました。
この図とは逆になりますが、取得できる順に見ていきましょう。
クリスタル
JMB会員がクリスタルになると『JMBクリスタル』、JGC会員がクリスタルになると『JGCクリスタル』のステータスになります。
『クリスタル』は、ANA『ブロンズ』、DELTA『シルバー』と同等のステータスです。
サファイア
JMB会員がサファイアになると『JMBサファイア』、JGC会員がサファイアになると『JGCサファイア』のステータスになります。
『サファイア』は、ANA『プラチナ』、DELTA『ゴールド』と同等のステータスです。
そして、このJMBサファイアになると、JALで上級会員のサービスが受けられるようになります。また、JGC(JALグローバルクラブ)への申込みが可能になります。
JGCプレミア
JGCプレミアはJGC会員だけのステータスで、ダイヤモンドと同程度といえるような待遇が受けられます。
『JGCプレミア』は、DELTA『プラチナ』と同等のステータスです。ANAには同じ位置付けのステータスはありません。
ダイヤモンド
JMB会員がダイヤモンドになると『JMBダイヤモンド』、JGC会員がダイヤモンドになると『JGCダイヤモンド』のステータスになります。
『ダイヤモンド』は、ANA『ダイヤモンド』、DELTA『ダイヤモンド』と同等のステータスです。
JALサービスステイタスの中で最上位のステータスであり、多種多様なサービスが受けられます。
続いて、これらの中ではちょっと異質な…
JGCワンワールドサファイア
このJGCワンワールドサファイアもJGC会員だけのステータスで、JGC会員になったあと、FOPでも搭乗回数でもクリスタルの基準に到達しなかった場合に、この『JGCワンワールドサファイア』になります。
JGC平会員ともいわれますが、侮ることなかれ。なんとJAL上級会員のサービスが受けられるのです。
ステータス獲得には おカネがかかる!!
はい、そうです。ステータスを獲得するには費用がかかります。
それは、ステータス獲得条件のFOPや搭乗回数は、お金を払って搭乗することでFOPが発生したり、搭乗回数がカウントされるからです。マイルを使った特典航空券での搭乗ではFOPは発生せず、搭乗回数もカウントされません。
それでは、どれくらいの費用がかかるのか?
飛行機に乗る時期や路線、搭乗クラスなどにもよりますが、ざっくり目安で、FOP単価で10円程度といわれています。
クリスタル 30,000FOP ⇒ 30万円
サファイア 50,000FOP ⇒ 50万円
JGCプレミア 80,000FOP ⇒ 80万円
ダイヤモンド 100,000FOP ⇒ 100万円
これはあくまでも目安で、やり方によっては、FOP単価4円とか5円も可能性があるので、その場合、かかる費用は半分くらいになります。
いずれにしても、ステータス獲得には、当然ながら飛行機に乗る時間とおカネがかかります。
ステータスの有効期間は1年
ステータスは、1月~12月(暦年)の1年間でステータスの獲得条件を満たした場合、翌年4月~翌々年3月(つまり翌年度)までの1年間が有効期間になります。
ステータスはずっと続くのではなく有効期間は1年間
逆にいえば、たくさん飛行機に乗って獲得したステータス、そのステータスによってもたらされるサービスは、たった1年で有効期間が終わってしまうということです。毎年継続的に搭乗実績が出せないとステータス維持はできないのです。
JAL上級会員に位置づけられるサファイアを継続的に維持する場合、ざっくり目安で毎年50万円の費用がかかります。お金持ちや出張族でもない限り、普通の人はそんなに飛行機に乗る機会はないですし、つまり、普通に考えたら、毎年のステータス維持はかなり難しいことになります。。。
そうはいっても、せっかくのステータス、お得に維持してサービスを受け続けられないものか… こう思う人も多いことでしょう。
そこで登場するのが、JALグローバルクラブ(JGC)です。
ステータス維持の神『JALグローバルクラブ(JGC)』
上級会員のステータスが維持できる
このようにステータス維持のためには、基本的には毎年、少なくても2年に1回は搭乗実績を出さなければならないのですが…
心配ご無用、良い方法があります。
それはJGC会員になることです。JGC会員になれば、毎年の搭乗実績にかかわらず、JMBサファイアとほぼ同等のサービスを維持できるのです。これが前述の『JGCワンワールドサファイア』です。
つまり、ある1年間にとにかく飛行機に乗りまくって、JMBサファイア獲得後にJGCへの入会申込みをして、JGC会員になってしまえば、それ以降、飛行機に乗らなくてもJAL上級会員としてのステータスが維持され、上級会員のサービスも受けられるのです。
このようにJGC会員を目指してJALグループの飛行機に乗りまくることを『JGC修行』と呼び、彼らは『修行僧(尼)』と呼ばれています。
おカネと時間、手間はかかりますが、それを上回るメリットや魅力があるのがJGCです。
JGCへの入会条件は2つ
JGCに入会するためには、2つの条件があります。
① JMBサファイアのステータスを獲得する
② CLUB-A以上のJALカードを保有する
この2つの条件をともに満たせば、JGC会員になることができます。
① JMBサファイアのステータスを獲得する
JMBサファイアは、このどちらかの条件を1月~12月の1年間でクリアすることで獲得できます。
- 50,000FOP(うち25,000FOPはJALグループ便)
- 搭乗50回(うち25回はJALグループ便) かつ15,000FOP
② CLUB-A以上のJALカードを保有する
JGC会員になるには、JGC会員用のクレジットカード(JALカード)を保有する必要があります。
このJALカードには、VISAやJCB、AMEX、ダイナースなど複数の提携ブランドがあり、さらに、普通カード、CLUB-Aカード、CLUB-Aゴールドカード、プラチナといったランクがあります。
JGC会員になるためには、CLUB-A以上のカードでなければならず、最安の年会費は11,000円(税込)になります。
このように年会費はかかりますが、一度JGCに入会してしまえば、JALカードを保有している間はずっとJAL上級会員として扱われます。そして、JALグループやワンワールド加盟航空会社を利用するときに、上級会員としてのサービスが受けられるのはとても魅力的です。
家族は修行なしで上級会員になれる
JGCの大きなメリットの一つとして、JALカードの家族カードを発行すれば、その家族は、搭乗実績にかかわらずJAL上級会員になることができます。はい、これが『JGCワンワールドサファイア』です。
そして、上級会員のサービスは、空港やラウンジなどでは同行者1名もサービスを受けることができます。
たとえば、夫婦+子供2人の家族4人で飛行機に乗る場合、夫:本カード、妻:家族カードというように夫婦でJALカードを持てば、夫と子供1人、妻と子供1人というように、それぞれ子供を同行者にすることで、家族4人でサービスを受けられます。
とくに連休などの繁忙期、混雑時では、子連れで長蛇の列に並ぶことなく、子供にも余計な体力を使わせることなく、快適な旅行にすることができると思います。
まとめ
JALステータスには、JMBクリスタル、JMBサファイア、JMBダイヤモンドがあり、JMBサファイア以上が上級会員のサービスを受けることができます。
また、CLUB-A以上のJALカード(クレジットカード)を保有し、ある1年間にひたすらJALグループ便に乗りまくって、JMBサファイアを獲得すると、JGC(JALグローバルクラブ)に入会することができます。
JGC入会後は、JALカードを保有していれば、搭乗実績にかかわらず、ずっとJAL上級会員として扱われ、上級会員のサービスを受け続けることができます。
家族カードを発行することで、家族4人でサービスを受けることもできます。
そして…
JGCへの入会を目指して、修行僧(尼)たちによるJGC修行が行われている理由も理解できたと思いまます。
あなたも是非ステータスの世界を味わってみませんか…
では、また~